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2024/03/15
施設長のつぶやき~6,000円と言わないで~
こんにちは、施設長の田原です。
少し前ですが
観て参りました。
結論から言うとメチャクチャ面白かったです。
ムロさん大暴れ、まさに独壇場!
忠臣蔵という重く悲しい物語をどのようにコミカルに描くか
注目していましたが、こうきたか~という内容。
前半はギャグパート満載、後半以降徐々にシリアス展開に。
しかし最後は…(あらすじとネタバレと感想はこちら)
今回は介護職員処遇改善支援補助金のお話です。
タイトルだけ見て「もっとよこせ」という内容と思った方には申し訳ないですが
今回はそのような話ではございません。
今年2月より上記補助金の支給が開始されました。
令和4年に続き2回目です。
この支給は非常にありがたいものですが
居宅ケアマネなど一部の職種がその恩恵にあやかれないなど問題があるのも事実です。
しかし問題はそれだけではありません。
政治家の皆さんは意気揚々と「介護職員の給与を月6,000円アップ」と言いはりますが
実は実際には全ての施設、事業所が6,000円アップ出来る訳ではありません。
先日あった大阪府からの職員一律2万円のギフト券のような物なら
そのままお渡しできるのですが
2年前同様、この補助金はそのような取り扱いではございません。
支給額は月の介護報酬の総単位数に
事業種別(訪問介護や通所介護、特養等)ごとに定められた交付率をかけて決定します。
つまり簡単に言うと月の売上や事業種別によって支給額が変動するのです。
6,000円以上獲得できる施設、事業所もあれば、それらを下回る所もあるでしょう。
さらに「介護職員」と明記されているので
あたかも介護職員のみに支給されるような補助金に聞こえますが
当施設のように複数の職種が勤務している事業所の場合
全ての職種に分配する事が可能です。
その場合、仮に介護職員のみに支給すれば6,000円獲得出来る支給額だったとしても
その他の職種にも分配すれば当然一人当たりの支給額は減ります。
もちろん分配可能というだけで、別に分配しなくても良いのですが
ここは各施設、事業所の考えか方次第でしょう。
結論から言うと当施設は全職種に平等に分配する事としました。
(正社員には月額、パートには時給で)。
理由は簡単です。
厨房の職員がいるので、介護職員が調理するのは朝食のみです。
もちろん食材の発注や振り分けなども行う必要はありません。
清掃員がいるから共用部分の掃除を我々がする必要もありません。
そもそも事務員がいるからこのような補助金をスムーズに支給出来ます。
そのような全ての職員の頑張りで当施設が成り立っていて
どの職種も必要な人たちです。
ですから等しく平等に支給するのが当然と思っています。
しかし現場で働く介護職員が一番大変だから介護職員のみに支給しよう
介護職員の方に多めに支給しようという施設や事業所があってもそれを否定はしません。
単純に当施設はこうしたというだけの話です。
それでは私自身への支給はどうしたのかは
「役職者であっても受けられる権利は享受するというシステム」に続きます。
という訳で、もし当施設と同じような考え、同じような規模の施設事業所では
おそらく6,000円は無理だったのではないかと推察されます。
また事業規模によっては
仮に介護職員だけに支給しても無理だった所も多々あったと思います。
ですから政治家の皆さんにも安易に6,000円と言わず
3,000円から6,000円程度とか幅を持たせて発言して貰いたいというのが本音です。
しかし政治家とはパフォーマンスも大事な仕事なのでより大きく言いたいのも理解は出来ます。
また6,000円と言うのであれば、ギフト券のように
本当に直に6,000円支給してくれれば良いとも思います。
しかしこの補助金はいずれベースアップ加算等に組み込まれるので
一律支給は出来ない事も理解します。
だからこそ変に誤解を招く言い方は慎んで頂きたいと切に願います。
そうじゃないと、あらぬ誤解を生むと言うか
最悪の場合、管理職がたくさん取っていったなどの
あり得ない疑惑まで持たれる危険もありますから。
もちろん、そのような疑惑を持たれないように
各事業所の管理職は全職員に懇切丁寧な説明を行なう必要がある事はいうまでもありません。