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2024/01/26
施設長のつぶやき~リーダーに求められる重要な能力「発信力」~
こんにちは、施設長の田原です。
2024年を迎え、早くも1カ月が過ぎようとしています。
今年は能登半島地震、航空機事故と痛ましい未曽有の事態から始まった年でした。
いつも思う事ですが、我々一般人に出来る事は限られておりそう大きな事は出来ません。
だからこそ目の前にある事に一所懸命に取り組むことが何よりも大切…
そのような決意が改めて出来た年の始まり。
被災された方々の一刻も早い復興、また震災、事故でお亡くなりになられた方々の
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
それでは今年初めの施設長のつぶやきです。
リーダーには沢山の能力が必要です。
一般に統率力、決断力、判断力、聴く力、先見の明、大きな絵を描き道を創る事
などなど様々あると思います。
まぁ同じような意味合いのものもありますが
たくさんある中で皆さんは何が一番必要と考えますでしょうか。
こればかりは自分自身のリーダー像というものがあり
自分がリーダーの場合はこうしたい
自分がリーダーに付いていくもしくは支える立場の場合はリーダーにはこうあってほしい
と考えるものであって正解はなく、逆にいえばどの意見も正解ともいえると思います。
研修でも色々習うと思いますが、当然講師によって言う事は違いますからね。
私がそのような中考える、リーダーにとって一番必要な能力は「発信力」だと思っています。
これは言い換えれば「伝える力」や「プレゼンテーション能力」と言ってもいいかもしれません。
統率力とも似たような意味かもしれませんが
「どうやって統率するんだ」と訊かれた時に「自分の意見を発信しなさい」
と答える具体的な行動かもしれません。
何故このような当たり前に思える事をわざわざ言っているのかと言いますと
意外と自分の意見を発信する事が苦手なリーダー格の職員が多いように思います。
それでは発信とはなにか。
当施設内を例題にします。
手前味噌のようで恐縮ですが、私が施設長に就任した際のお話を少し。
施設長に就任し、まず始めたのはマクロの視点として
これからアイテラスをどのような施設にしていきたいかという事を
ユニットリーダー(介護職員代表)と看護師、管理栄養士、機能訓練指導員
事務職員、生活相談員、介護支援専門(以下、その他の専門職(※注釈))に伝えました。
発信方法としてユニットリーダー会議の場を利用しました。
施設の運営方針として「バイスティックの7原則」を掲げ
これからは自由で開かれた施設を目指していく事を伝えました。
また標語として「天の時 地の利 人の和」を掲げ
(天の時=タイミング、地の利=地域に受け入れられる施設、人の和=皆で協力し合う)
天の時がまさに今であり、地の利はある程度達成出来ている
一番の課題は人の和である事を伝えました。
そしてキーワードとして「Who laugh last?(最後に笑うのは誰だ?)」を掲げ
(布袋寅泰「RUSSIAN ROULETTE」より引用)
どんなに紆余曲折しようとも最後は皆で笑っていたいという思いを伝えました。
「バイスティックの7原則」「天の時 地の利 人の和」「Who laugh last?」により
施設の進むべき方向性を示したわけです。
しかしここでは具体的な行動指針を説明せず、あくまで心理的な行動指針を示しました。
そして次にマクロの視点として具体的な行動指針を示しました。
あくまで「ユニットリーダー中心のユニット運営」とし
その他の専門職がそれに協力する事としました。
チームケアとして当たり前の事ではありますが
どうしてもその他の専門職の意見が強く出すぎたり
逆に介護職員側がその他の専門職の指示待ちになったりしている現状を打破し
皆対等の関係性となり介護職員ももっと自分達の意見を言って
主体的にユニットを運営していって貰いたい事を伝えました。
この時の発信方法としては、より具体的にわかりやすくするため
自分の考えを文章にして閲覧して貰ったり
ホワイトボードやパワーポイントを使用しプレゼンテーションをしたりと
ただ話をするだけではなく視覚的効果で伝えました。
今はそれがユニットリーダー会議での発言、またこのブログでの発信に繋がっています。
これが継続出来ているのは当初にこれまでと違うアイテラスにするという
明確な目標や行動指針を発信出来たからと思います。
そしてミクロ中のミクロの視点としては全てのユニット会議
サービス担当者会議に出席し、自分の福祉観を全職員に伝えていきました。
しかしこのクロ中のミクロの視点のやり方は
ユニットリーダーに自覚が出来るまでの期間とし、数か月で出席は取りやめました。
理由は施設運営からユニット内の細かなケア内容まで
全て私の意見となってしまい好ましくないと思ったからです。
施設長という立場では、場合によりますが、よほどの事がない限り
マクロの視点で物事を考える必要があり
ミクロの視点はあくまでユニットリーダーを相手にする場合までと考えています。
長くなったの続きは次回にします。
※「その他の専門職」という表記について。
以前の当施設では介護職員を専門職と言わない雰囲気がありました。
そこで介護職員も立派な専門職であり
しかしその他の職種もまた介護職員と同じく専門職であるという意味を
明確にするためそのように記載しています。
本来このような表記がなくとも全ての職種が専門職である事は言うまでもありません。
ただしソーシャルワーク職は相談援助の専門職(スペシャリスト)でありつつ
全てを見回す総合職(ゼネラリスト)でもあります。