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2023/09/18
施設長のつぶやき~福祉教育の勘違いは差別・権利侵害につながる②~
行こう行こうと思っていた
ついに行って来ました!
前回は骨格展示のない恐竜展でしたが、今回はバリバリの骨格展示です。
ワクワク感が半端ありません(/・ω・)/
圧巻のティラノサウルス!!
さすが恐竜王!!
今回メインのズールをバックに記念撮影。
こちらは常設展示ですが
我らがマチカネワニが!
同じく常設展示のアロサウルスです。
このアロサウルスを見て「ん?」と思った方は間違いなく恐竜ファン。
そう、昔はアロサウルスやティラノサウルス等の肉食恐竜は
縦長姿勢、つまりゴジラスタイルで移動していたと考えられていました。
しかしその後の研究で足跡は見つかっても尾を引いた跡が一切見つからない事から
現在は頭と尾を平行にしてバランスをとるシーソーのようなT時姿勢で
移動していたとされています。
もちろん、誰も見た事がないので仮設ではありますが。
今後の発見でまた何か新しい仮説が出てくるかもしれませんね。
こちらのアロサウルスの骨格は1973年に組み立てられたので
このようなスタイルになっているそうです。
こういうのも歴史を感じていいですね。
それでは本題です。
中学校にも高校にも当然、中間テスト、期末テストがあります。
一人で試験勉強する人もいれば友達と一緒に勉強する人もいるでしょう。
ここでこの中学校では「A君との勉強会」と称して
日曜日や祝日にクラスの生徒を集めていました。
私は班長などに任命されていた事から否応なしにその催しに参加するのですが
ある日学校に行ってみると当のA君の姿がありません。
不思議に思って担任の先生に「あれ、Aは??」と訊ねてみると
先生が「A君はサボり…」という返答がありました。
そう、A君は自分をそのような催しの題材に使われるのが嫌だったのです。
もちろん単純に皆で集まって勉強するのが嫌だっただけかもしれません。
いずれにせよ本人の承諾もなくこのような催しを名前を出して堂々と実施する事は
不適切どころか、障がいを持つ方に対する差別、権利侵害である事は言うまでもありません。
仮に許可を得ていたとしても、先生からお願いされれば「うん」というしかない場合もあります。
さらに軽度とはいえ知的障がいがある以上
その判断能力が確かなものなのかは十分に議論すべきです(ましてやまだ14,5歳の子供です)。
そして私自身の話にもなりますが、私は勉強は家で一人でやらないと集中出来ない人間です。
人によっては皆で勉強した方がはかどる派の人
家ではダラダラしてしまうから図書館やファミレス等で勉強する派の人もいるでしょう。
しかし私は家で一人派なんです。
先述の通り私は否応なく参加する立場でしたから、その時間のお陰で家で一人で勉強する時間
ある意味そのような権利が奪われる事になるのです。
(まぁどうせ勉強なんてしないで遊び惚けていたでしょうが…)。
A君のために何かしないといけないという気持ちは買いますが
このような過剰な思い込みや社会福祉への勘違いは障がい者の方々への差別や権利侵害のみならず
周囲の人達への不利益、権利侵害にまで発展する危険があるのです。
良く聞くボランティアへの強制参加等もこのような社会福祉への勘違いの弊害かもしれません。
しかし間違えても当時の教員たちに悪意はなく、一生懸命なんとかしようとした結果です。
今の自分が過去の教員を責める気はありません。
教員といえども、英語、国語、数学、理科、社会、保健体育等の専門家であり
社会福祉、権利擁護の専門家ではありません。わからなくて当然です。
ましてその当時は社会福祉士もいなく
スクールソーシャルワーカー等もいるはずもなかった時代です。
権利擁護に関して無知だった事は仕方ない部分もあります。
しかし「無知は罪なり」という言葉があるのも事実です。
熱い思いだけで突っ走ってしまうと思いもよらぬ所で人を傷付けてしまう事もあるのです。
流石に今の時代このような事はないと思いますが
少なくとも過去にはこのような福祉教育への勘違い
間違った思い込みがあったという事実は知っておくべきです。
(施設長のつぶやき~過去を振り返り誤りを修正していく大切さ~参照)
過去を学ぶことが新たな過ちを犯さないための第一歩となるのです。
ちなみに、そのA君ですが、私が大学時代に地元の最寄り駅でばったり再会しました。
スーツ姿にビジネスバックを持っていたA君に「久しぶり」と話しかけた所
卒業後、就職して働いていると話してくれました。
大人が過剰に心配しなくとも子供は立派に育つという事かもしれませんね。