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2023/07/18
施設長のつぶやき~介護保険からの卒業という欺瞞~
こんにちは、施設長の田原です。
先日
観て参りました。
内容はこれでもかという程のバイオハザード。
これだけのメンバーが勢ぞろい、共闘は激アツですね。
グッズが争奪戦になりそうな予感がしたため、スラムダンクの時の反省を活かし(??)
今回は開場と同時に発券を行なわず、すぐにグッズ売り場に並びました。
お陰で目的の商品は全て購入出来ましたが、どんどん売切れていきました。
久々の映画グッズはとても嬉しかったです。
また
ついに発売になりました。
昨年末2会場のみで行われたにライブのうち、大晦日分の映像化です。
ライブ終盤、Dreamin’ →Still Dreamin’ の流れは最高でした。
2022年はまさにStill Dreamin’ に始まりStill Dreamin’ で終わった年でしたね~
自分が行ったライブの映像化は嬉しいものです。
それでは本題です。
今回は前回の記事(過度な「自立支援」はノーマライゼーションの否定)の
続きのような内容です。
以前いつもお世話になっている北海道介護福祉道場代表の菊地先生のブログで
ある市では介護保険からの卒業を謳っている事を知りました。
つまり要介護(支援)認定を非該当にさせ
介護保険を使わなくする事が素晴らしい自立支援だというのです。
しかもその卒業したうちの何割かの方は介護保険卒業後も
自費で介護サービスを利用しているそうです。
私は菊地先生ほど情報量や分析力がある訳ではありませんが
この介護保険からの卒業という言葉を聞いた瞬間に
率直に「胡散臭いな」という印象を持ちました。
理由としてあくまで私の経験上の話ですが
これまで係わった数百(もしかしたら4桁いってるかも…)というケースの中で
介護保険からの卒業を目指した方は、リハビリを頑張り最終的に使用していた歩行器を返却
「自転車にも乗れるようになったので、もう介護保険は必要あません」と言った
60代の女性1名のみです。
その他のケースでは皆、介護保険を利用しながら、支援を受けながら生活されています。
褒められた話かどうかわかりませんが、通所介護に勤務していた時
利用者さん同士で「アンタ、要支援なん?私はちゃんと要介護2貰ったよ。」と
何故か誇らしげに話をされていたぐらいです。
また要介護から要支援2になった利用者さんは
「私こんなん納得出来ないわ。私自分では何にも出来ないのに…」と不満を口にされていました。
(まぁその方は通所介護を週2回と歩行器をレンタルされているだけだったので
結果的には要支援2でも問題なく、その説明をすると納得されましたが)。
利用者さんにとっては利用したい介護をきっちり利用できる事は当然の事と思っておられます。
当たり前と言えば当たり前です。
介護を社会保険制度に位置付けた時点で介護を利用するのは権利であり
社会として介護を支える義務でもあります。
私はこれを「介護は市民権を得た」と表現しています。
(市民権:比喩的に、一部だけに行なわれていた物事が世に広く一般化すること)。
怪我や病気になれば病院に行って医療保険を利用するのは当たり前です。
同じ社会保険なのですから介護が必要になれば介護を利用するのは当然の事でしょう。
何故そのような当然の事から卒業させられなければならないのか。
先述のように自分の意思で介護保険から卒業された方はまさに自立であり自律です。
何の問題もありません。
しかし望んでもないのに非該当にされたあげく必要な支援が受けられないのは
完全な権利侵害といえるでしょう。
現状でさえ、要介護2以上じゃないと車椅子や介護ベッドが使えないなどの
給付費抑制があるのですから
これ以上締め付けるのは「介護は家族のみの問題ではない。社会で受け入れる、支えるべき」
という崇高な理念がなくなってしまいます。
身体的にも精神的にもしんどい時に人の手を借りる事は決して悪い事ではありません。
まして介護は介護保険として社会保険制度に位置付けられている訳ですから
要支援、介護状態になれば支援を受けるのは当然の権利です。
身体的な自立のみが自立支援ではありません。
大切なのは自律支援であり、その方の意思です。
間違えた自立支援にならないように、我々自身が自分の心を律していく必要があるのです。