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2022/01/29
施設長のつぶやき~事故等による身体的ダメージと精神的ダメージを考える~
皆さん、こんにちは。施設長の田原です。
この業界に勤めていると、日々様々な事故が起こります。
事故が起こると身体的なダメージを受ける事は当然ですが
本日はそんな身体的ダメージのみではなく、精神的ダメージについても
考えてみたいと思います。
転倒事故が起こると、少なくない確率で怪我をされます。
その中で頭部内外の出血や骨折などの重大な事故が起こる場合もあります。
しかしご自分の意思で自由に歩かれる利用者の行動を止める事は出来ません。
利用者の自由な行動を止める事は当然、身体拘束に当たります。
しかし身体拘束は何も直接的に行動を抑制する事に留まりません。
皆さんもスピーチロックという言葉をお聞きになった事があると思います。
簡単にいうと「危ないから動くな!」等と利用者にいう事で
言葉によって身体を拘束する事です。
スピーチロックに限らずあまりにも過度な見守りよって利用者に「無言の圧」を与え
それによって利用者が萎縮し(職員に怒られると思い)
動けなくする事も十分身体拘束に当たります。
身体拘束の具体例は示されていますが、それだけを防げば良いという事にはなりません。
自由な行動を止められない以上、どれだけ見守り、付き添いなどをしたとしても
転倒を100%防ぐ事は出来ません。
100%防げない以上、予め本人、家族にその件を説明します。
契約時に全利用者、家族にその説明は行うのですが
特に転倒のリスクが高い(高くなった)場合には、その利用者、家族に過ごされている時の様子
転倒とその際のリスクの説明を日々行ない、理解を得ています。
確かに事故が起きた時、利用者、家族から「何故転倒したんだ」と苦情を上げられるリスクを
軽減する意味もあります。
しかしそれ以外にも重要な意味があります。
それは精神面のフォローです。
当たり前の話ですが、いきなり「転倒しました」と報告を受けるより
予めそのリスクの説明を受けて、ある意味「心づもり」をして頂いていた方が少なくとも
家族のショックはある程度軽減できます(それでもショックは受けるでしょうが…)
ただでさえ利用者さんには怪我で痛い思いをさせているのですから
せめて精神面だけでもフォローしたいと考えるのが普通でしょう。
長くなったので続きは次回にします。