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2022/01/11
施設長のつぶやき~管理職が利用者ファーストを実行するために必要な事を考える④~
前回の続きです。
つまり、現場経験のある管理職の意見が優先されると
確かに経験則からある程度正しい意見もあるかもしれませんが、
それはこれまでの経験であり、今現在の現場をみて出している意見ではありません。
(見ていないと言うと語弊がありますが、常に見ている訳ではないという事です)。
またあくまでこれまでの私の経験からくる個人的感覚ですが
この業界で経験のない管理職はそもそも介護現場(ケア内容)に意見は出せないと思います。
稀に意見を出す人もいるようですが、それは机上の空論、絵に描いた餅、理想論として
現場には受け入れられないと思います。
いずれにせよ危険という事です。
結論です。何故冒頭で「職員ファースト」という暴論ともいえる問題提起をしたのか。
もうお気づきと思いますが、常に現場にいて常に利用者のケアに携わっているのは
管理職ではなく、一般の介護職員です。
その一般の介護職員の考えを活かし、一般の介護職員が最高のパフォーマンスを
発揮出来るようにしなければ、組織はまとまらず
当然ケアの質は担保出来ないという事なのです。
だからといって常にケアに携わる事のない我々管理職は利用者について
何もしなくて良いという訳ではありません。
我々管理職は利用者の思いを汲み取ったうえで、職員の事も考え
職員が働き安いような環境を整える必要があるという事です。
その意味で「職員ファースト」の考え方なのです。
職員が働き安い環境を整え、職員が意欲的に働く事が出来れば自然と
最高のパフォーマンスを発揮します。
もっと言えば最高のパフォーマンスを発揮できるように導くのが管理職の役割です。
そのような行動のうえで結果的に「利用者ファースト」となるのです。
もちろん不適切なケアをしている職員、知識・技術が未熟な職員への指導は必須でしょう。
しかしそれは適切な知識・技術の伝達であり、決して自分の思いを押し付ける事ではありません。
自分の思いを語り共感を得ていく事は管理職として必要な事ですが
自分の思いを理解しない職員、自分が求める知識・技術に到達していない職員を
ダメな職員と断罪する事は出来ません。
職員に寄り添い、職員の気持ちを救い上げ、仮にその考え方や知識・技術が未熟であっても
共感し共に歩む、成長する、そのような姿勢が管理職に求められる本当の姿勢と考えています。