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2024/09/22
施設長のつぶやき~三大介助ってなんだ??~
こんにちは、施設長の田原です。
先月、今月観て来た映画をご紹介。
まずは
ジュラシックワールドの制作陣が贈るという名に恥じない大迫力です。
ストーリーも大変わかりやすく飽きる事はありません。
もう公開も終わっているかも知れませんが映画館で観るべき映画です。
(あらすじとネタバレと感想はこちら)
さらに
この手の映画を感動巨編という事に賛否あるかも知れませんが
やはり戦争というものを考えるにあたり必要な映画と思います。
実際史実に基づく話であり
時折実際の戦争映像やアナウンサーの肉声も流れます。
学校の教材としても価値ある映画ではないでしょうか。
(あらすじとネタバレと感想はこちら)
それでは本題です。
三大介助という言葉があります。
いつ出て来た言葉か知りませんが少なくとも私が学生時代には習わなかった言葉です。
私がこの言葉を初めて聞いたのは派遣会社からでした。
人材を紹介される際に「経験あり三大介助可能です」と言われました。
頭の中で「三大介助??」と思いましたが、こと社会福祉に関しては
派遣会社の営業担当者さんよりも当然我々の方が専門家な訳で
何か変なプライドが刺激され聞くに聞けず
何となく「あぁ入浴、排泄、食事介助のことかな」と思って話を進めました。
その後すぐにネットで調べるとその通りでした。
あまり言葉狩りをする気はありませんが
私はこの三大介助という言葉はあまり使用したくありません。
確かに入浴、排泄、食事というは人が人として暮らしていくうえでの基本的な事です。
他の動物では必須ではない温かいお湯につかる入浴が基本的な事に含まれるのは
まさに人としての尊厳を保持する事と同義でしょう。
しかしそれでも私がこの言葉を推奨しないのは
まだ経験や知識といったものが浅い方がこの言葉を聞くと
この三つの介助が最も大切なこと
もっと言えば最低この三つをこなしていれば良いと勘違いしないかを心配しています。
この三つは大切な介助である事は言うまでもありません。
しかしそこに優劣を付けてしまうと
他の大切な介助がおざなりになってしまうような気がしてなりません。
もちろんケアプランでもそうですが、優専順位というものはあります。
通所介護などではイベントをする日は入浴支援をしないという事業所がありました。
私はこの考えは反対です。
普段営業していない日曜日などに自費で行うイベントなら問題ありませんが
通常日に介護報酬を頂いてのイベントで通常の入浴支援をしないのはどうかと思います。
あくまで普通の日常生活があったうえでのイベントでしょう。
しかし入浴支援さえしていれば
利用者の心身を活性化させるイベントが不要と言われればそれも違うでしょう。
つまり優先順位は違えど、それは優劣ではなく
どちらも大切な支援である事に変わりはありません。
もっと言えばイベントどころか
利用者の話をじっくり聴く傾聴支援も会話を楽しみたい利用者との会話支援も
とても大切なことです。
ただ話を聴くだけ、ただ会話するだけではなく利用者との関わりから
潜在的ニードをつかむ事もソーシャルワーカー、ケアワーカーの大切な業務です。
このように三大介助と呼ばれる介助以外にも大切な介助(支援)は沢山あります。
このような事を理解したうえで三大介助という言葉を使用するのであれば
何の問題もありません。
しかし入所施設ではイベント(そんな大きな事をしなくとも簡単な体操でも良いのです)や
利用者との関りが少ないという話をよく聞きます。
そのような場合どうしても最低限の三つをこなしていれば良いという空気に
なっているのではないのかと思います。
もちろん日々忙しい介護現場の職員を否定する気はありません。
介護現場の大変さは自分も夜勤含め経験していますので察して余りあります。
ですから日によっては最低限の事をこなす事で手いっぱいの時もあるでしょう。
しかし心の片隅に三大介助と呼ばれるもの以外にも大切な事は沢山あると思って頂ければ
ちょっと出勤者数に余裕がある日
入浴支援がない日等に「何かしよう」という意識づけにはなると思います。
どうか利用者が心身とも健やかに過ごせる毎日になる事を祈っています。