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2024/08/21
施設長のつぶやき~この業界独特の言い回しは避けていきたいと思う~
こんにちは、施設長の田原です。
もう1ヵ月程も前になりますが
観て参りました。
こういうどういった展開というか、何が起こるかわからないというか
そもそもウォッチャーズってなに??という作品は大好きです。
調べてみると監督がシックスセンスの監督の娘さんだったようで。
血筋なんですかね??(あらすじとネタバレと感想はこちら)
それでは本題です。
どのような業界にも専門用語はありますね。
警察でも人相と着衣の事をまとめて「人着」と言うようですし
皆が「踊る大捜査線」で知ったであろう
「容疑者」ではなく「被疑者」と呼ぶなどがあると思います。
当然、我々の業界にも存在します。
しかし他の専門団体と違うのは、我々はそれを利用者、家族に
口頭や書面で説明する必要がある所です。
ですからもう何年も前からケアプラン等には
専門用語は使わないようにと指導されています。
もちろん事は利用者、家族だけではありません。
多職種協同なのですから
自分の専門分野以外の専門職にもわかりやすい言葉を使う必要があります。
PEGではなく胃ろう、擦過傷ではなく擦り傷などが有名どころかもしれませし
仮に経鼻胃管など言われてわかる人が何人いるでしょうか。
昔、医療法人系列に勤めていた時
「福祉職も医療用語を覚えよう」という研修がありました。
別にそのような研修が無意味とまで言いませんし
先述したような言葉ぐらいは知っておかないとサマリー等を読む時に困るかもしれません。
しかし膨大な専門用語は別に一個一個全部覚えなくとも
その時々に教えて貰ったり、ネットで調べたりすれば事足ります。
わざわざ覚える労力を考えれば利用者のケア等について考える方が良いでしょう。
ただの主観と思いますが
何か医療用語を知っている福祉職=優秀な福祉職という図式があるよう気がして疑問です。
(自分自身の切磋琢磨のためしっかり勉強して知っている事を否定はしませんが…)
しかし何も問題は医療的な用語だけではありません。
福祉の業界でもあります。例えば信頼関係構築の事をラポール形成と言います。
しかし別にそんな難しい言い方しなくても
普通に日本語で信頼関係の構築と言えば十分でしょう。
他にも例えばアドボカシー。
これは代弁機能と訳され、ともすれば権利侵害されるクライアントの声を代弁し
その権利を擁護するという意味です。
私が専門学校時代は代弁機能としか習いませんでしたが
上記の意味からアドボカシー=権利擁護とも訳されます。
こちらも代弁機能、権利擁護と言えば別に良いかと思っています。
むしろアドボカシーで代弁機能とも権利擁護ともいうのであれば
むしろ日本語で表記した方がわかりやすいような気もします。
(ただしラポール形成もアドボカシーも国家試験対策をしている人は覚えて下さい)
また最近気になっているのが
何でも横文字のカッコイイ言い回しに変えて来ているような風潮です。
もちろん、外国人労働者の事を考え
国際的な言い回しが良いと言う考えかも知れないのですが(知らんけど…)。
私からすれば
バーバル・ノンバーバルコミュニケーションと言う言い方はその最たる物と思ってしまいます。
ほんの数年前まで教科書においても
言語・非言語コミュニケーションと言われていたのに
今ではバーバル・ノンバーバルという言い方が主流になっています。
何でそんな言い方に変わったのかは知りませんが(知っている方はぜひ教えて下さい)
その意味(訳)には必ず「言語・非言語コミュニケーションのこと」と書いています。
だったら最初から言語・非言語と言いなさいよ!と思うのは私だけでしょうか…
それでもどうしても用語を覚えなくてはならないものもあります。
例えばアウトリーチやノーマライゼーション。
これはもうアウトリーチやノーマライゼーションとしか言いようがありません。
訳すると凄く長い文章になってしまいます。
バイスティックの7原則もバイスティックさんが考え出したんだから
そう覚えるしかありません。
私は「インテーク」もその一つと思っていますが
それだけで長くなりそうなうえ、表題とずれていきそうなので別記事を後日アップします。
今日は専門用語の使い方について考えてみました。
思えば新卒で勤務した時は
好んでラポール形成やアドボカシー、スティグマ等の言葉を使っていたと思います。
今思うと恥ずかしいですが、自分に経験がなかった分
難しい言葉で自分を大きく見せていたのかも知れません。
まぁ単純にせっかく受験勉強で覚えた事を披露したかっただけかもしれませんが。
しかし周囲の人達には小生意気で迷惑なヤツだっただろうなぁと今は思います(反省…)。