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2022/07/03
施設長のつぶやき~他者の話を読み解くこと・自分の理論を持つということ~
こんにちは、施設長の田原です。
昨日はビックニュース!!
スラムダンクの最新映画の劇場公開日と正式なタイトルが発表されました!
タイトルは「THE FIRST SLAM DUNK」で公開日は12月3日。
まだまだ先ですが、期待は高まるばかりです。
映画と言えば先日、衝動買いならぬ衝動観賞で
観て参りました。
あまり調べていなかったので、ついスピンオフ作品(つまり一年戦争の裏側では実は
こんなエピソードがあったとかいうアレ)と思っていましたがそうではなく
テレビアニメ放映当時の第15話「ドアンの島」という放送会をフィーチャーした作品で
当然主人公はアムロ・レイ、声も古谷さんという事を知り
これは劇場で観るしかないという衝動にかられた次第です。
結果は観に行って大正解!
1時間30分があっという間。大画面で観るガンダムに大興奮です。
私は映画は基本、大阪ステーションシティ最上階にあるステーションシティシネマに行きます。
いつも通り朝一番に劇場に行きましたが、上映までまだ時間があったので
チケットとグッズを買った後、最上階のテラスを散策しました。
すると
こんなものを発見しました。
何回も行ってるのに全然気づきませんでした…
残念ながら開園時間前でした…
柵越しに写真のみ。
最上階のさらに上なので景色も抜群です。
劇場に戻るとある事に気づきました
前まで横断幕がドラゴンボールだったのに、もうミニオンズに変わっています…
時が経つのは早いものでね。
帰りはブルーと記念撮影をしてきました。
それでは本題です。
先日、評議員会がありました。
決算月だったので、一応施設長として施設を代表し令和3年度の決算報告と事業報告を
行ないました。
事業報告のなかで、ヒヤリハットの件数が年間313件あった事を説明しました。
前期が23件だったので、単純に13倍以上のケースがあがった事になります。
当然、理由がありまして、当施設では新たな取り組みとして令和3年度より
一月に職員一人当たり最低1件のヒヤリハットの提出を義務付けたからです。
ここまで説明したところで、出席者の方から質問がありました。
「最低1件提出の義務化は何かの研修で習ったものや厚労省からの通達などが
あったのか」という内容の質問でした。
私は以下のように回答しました。
「当施設では毎月10件前後の事故報告が上がってきます。
これをハインリッヒの法則(1件の重大な事故の下に29件の軽微な事故があり、その下に
300件のヒヤリハットがある)に当てはめると、当施設では単純計算で100件のヒヤリハットが
存在する事になります。
それなのに毎月1.2件しかヒヤリハットが上がって来ないのはおかしいと思ったので
このような義務を課しました。
この考えは私の考えであり、誰に言われたから始めたものではありません。」
つまりこれは私の理論(というか取り組み)なのです。
私は自分の認知症研修では、冒頭で国際障害分類、機能障害(インペアメント)
能力障害(ディスアビリティ)、社会的不利(ハンディキャップ)を説明します。
何故、これを冒頭で説明するのかは、ぜひ私の認知症研修を聴いて下さい。
他の認知症研修でこのような話をするのは聴いた事がありません。
これも私の理論なのです。
確かに研修は学ぶ事も多いです。
それこそ、先日当施設にお呼びした菊地先生の研修等は疑いようもなく
学ぶことばかりでしょう。
しかし研修の中にはそのような良い研修ばかりではありません。
以前、社会福祉法人で勤めていた時にこのような事がありました。
後輩のケアマネジャーがある研修に行き、その伝達研修を行なってくれました。
くだらん研修だったのでその内容自体覚えていませんが、何やら途中から雲行きが
おかしくなっていった記憶があります。
伝達研修終了後、どうも違和感があったので、そのケアマネジャーに研修資料を見せて
貰うと、思いっきり某政治政党〇〇党の広告がたくさん入っていました。
さらに敵対する政党である□□党を批判する広告も入っており
デカデカと「□□党NO!!」と書かれていました。
政治的にどの政党を支持するかは有権者次第なので私がここでコメントする事はありません。
しかし社会福祉の研修を謳い文句にして、実はある政党の宣伝をするような研修など
内容どうこう以前に到底まともな研修とは言えません。
そのケアマネジャーには「研修で習った事を鵜呑みにせず、もっときちんと研修内容を
読み取りなさい!」と厳しく指導し、その研修資料は全て破棄しました。
他にも同法人にいる時にこのような事もありました。
事業所の皆で確か家庭内暴力、児童虐待に関する研修に行きました。
そこで講師の方が延々と自分があるマイノリティであった事を涙ながらに力説していました。
周囲で話を聴いている人たちも涙を流しながら聴いていました。
そして研修終了後には「おー!!」という歓声と共に大きな拍手が沸き起こりました。
まるで「何かの集会??」と思うような光景でした。
私はずっと違和感を抱いていました。
その研修がマイノリティを学ぶ人権研修のような内容ならわかるのですが
何故、家庭内暴力、児童虐待を学ぶのに、講師自身がマイノリティだった事を
力説する必要があったのか、意味がわからなかったのです。
その講師がマイノリティであろうがなかろうが、自分の理論に自信があれば
そんなもの関係ないと思うのです。
(まぁ私もまだ20代と若かったので読み解く能力が低かっただけかもしれませんが…)
このように研修一つとっても鵜呑みにする事は非常に危険なのです。
研修に行き、他者の意見を聴く事は重要です。
しかしその研修の内容が自分の理念に合っているのか、自分や今の世の中の福祉観に
マッチングしているのかを読み解く能力が必要なのです。
私はこれを「研修リテラシー」と表現しています。
この読み解く能力がなければ、「研修で習った」を免罪符にし
それこそ虐待のような対応をしてしまう危険もあるのです。
当施設ではユニットリーダー以上に内部研修講師役を義務付けています。
中にはインターネット等でとってきた情報をそのまま話している者もいるでしょう。
しかし講師として人前に立つのであれば、やはり自分の理論は持って貰いたいところです。
自分の理論には数学の証明のように明確な正解がある訳ではありません。
例えば人材育成で私は
「この業界において帰属意識は低いが能力は高いという職員などいない
帰属意識の低い職員は須らく能力は低い」
と説いています。
これは私の理論であり、違う理論を持つ者がいても当然でしょう。
研修等で色んな話を聴く中で研修内容を鵜呑みにしたり
他者の受け売りしたりするだけではなく
自分の理論を構築し、それをまた他者に伝えていく
お互いに理論を伝えあっていく
そうした過程を積み重ねる事が全体的な質の向上に繋がって行くのです。
どうか皆さんも恐れず自分の理論を発表して貰いたいと思います。