ホーム > ブログ
2022/05/19
施設長のつぶやき~思い込み・先入観・固定観念・常識を疑え!②~
前回の続きです。
もちろん食事に関しては当施設側の問題点もあります。
私が入職以前は、朝食は一律8時から全員そろって提供という謎ルールがあったようです。
しかし私が実際に夜勤に入った際、利用者が朝6時頃自分で起きて来られ
フロアで新聞を読んでいる事などザラにありました。
私が「朝食摂られますか」とお聞きすると「あ―食べるわ」という方がほとんどで
起きてきた方から順番に6時半でも7時でもお出ししていました。
極端に早い時間にご提供する事は問題とは思います。
まして如何に起床されてきたと言っても認知症のある方で見当識に障害がみられ
自分が何時に起きてきたかを理解されておらず、覚醒もしていない方に
ただ「起きてきたから」と言って食事を提供する事は
誤嚥、窒息の観点からも問題があるでしょう。
そういう場合は、ある程度職員から朝食提供時間を提案する事は
支援の一環として当然の行為です。
しかしそうではない場合、日本人にとって、6時台に朝食を摂るなど普通の事でしょう。
何よりその時間帯に勤務している職員自身がその時間帯には朝食を摂っている訳ですから。
それなのに何故施設に入ったら一律8時から提供というルールになるのか疑問しかありませんし
まして全員そろって「頂きます」など、小学生かと言いたいです。
また当施設の食事は①普通食②つぶせる食③ミキサー食④スープ・ゼリー食の4形態があり
咀嚼、嚥下機能の低下と共に①→④の形態となっていきます。
また②以降をまとめて「ソフト食」と表現したりもします。
③④の形態の方にはその食事内容しかご提供が難しいのですが
②をご提供している方にはメニューによっては①をご提供できます。
(例:カレー、お好み焼き、オムライス、麺類等)。
以前はソフト食になったらソフト食という思い込みや固定観念から
②ご提供の方には当たり前に②しか提供していませんでした。
しかし今は栄養士、管理栄養士と相談のうえ
給食会社の方にご協力頂き普段②をご提供いる方にも
メニューによって①をご提供するようにしています。
(この辺りは柔軟に対応して下さる給食会社の方に感謝申し上げます)。
提供する理由はもちろん、②ご提供の方が①のメニューを見て
「私もあれが食べたい」と言われるからです。
そして①をご提供すると、とても喜んで下さいます。
また③④をご提供している方に対しても決して諦めている訳ではありません。
ブログで何度も紹介していますが、手作り昼食会などでは普通食と同じメニューを
ミキサー食にしますし、お寿司をご提供した時は
ミキサー食で握り寿司を作るという事も実施しました。
この辺りは、ミキサー食の人には握り寿司は食べられないという固定観念を打ち破った
介護職員の努力や創意工夫の賜物と思います。
長くなったので続きは次回にします。