ホーム > ブログ
2022/05/18
施設長のつぶやき~思い込み・先入観・固定観念・常識を疑え!~
こんにちは、施設長の田原です。
皆さんは「北斗の拳」という漫画・アニメをご存じでしょうか。
時は世紀末、核戦争で荒廃し暴力が支配する世の中を究極の暗殺拳・北斗神拳の
第64代伝承者である世紀末救世主ケンシロウがその北斗神拳で悪を切り裂く
ジャンプ漫画王道のストーリーです。
その北斗の拳の名言と言えば、同じく北斗神拳の使い手でケンシロウの義兄
世紀末覇者拳王ラオウの辞世の句「わが人生に一片の悔いなし!!」でしょう。
(左)ラオウ (右)ケンシロウ
北斗練気闘座での最終決戦…
そしてそのラオウの名言に匹敵する名言と言えば
やはりハート様の「ひでぶ!!」ではないでしょうか。
(グロテスクなシーンなので画像は載せません。調べる方は自己責任でお願いします)
しかしこの「ひでぶ!!」アニメではハート様以外にも至る所で多用されていますが
実は原作漫画ではハート様のみの唯一無二の名言です。
また「ひでぶ!!」ほどの名言ではありませんが
ケンシロウの「お前はもう死んでいる」も有名でしょう。
こちらも「ひでぶ!!」同様、アニメでは多用されていますが、原作漫画では
「お前はすでに…」を入れてもたった3回しか出てきません。
つまり「ひでぶ!!」も「お前はもう死んでいる」も原作でも多用されているというのは
完全な思い込みなのです。
今回はそんな思い込み等について考えてみたいと思います。
当施設では毎月1回、契約している給食会社の方を招いて、給食会議を行なっています。
そこでは主に献立について改善してほしい事を討議しています。
先日、一つの意見として、副菜の餃子がお皿に一つしかなく貧相だという意見が出ました。
しかし給食会社の担当者より「餃子を二つにするとクオリティーが下がるんです。
クオリティーを維持したまま数を増やすと、一品副菜が減ります」というような話がありました。
私たちは即座に美味しい物を提供できるのであれば品数は問題ではないのでは?と言いました。
すると担当者より「私もその考えに同感なのですが、どうも施設にご飯を提供する管理栄養士は
主菜・副菜三品に汁物を基準に考えるため、そのようなメニューになります」と言われました。
私からすれば、何故施設に入所すれば毎食必ず三品+汁物を提供しなければならないのか
疑問に感じます。
別に色んな品を提供したい、食べたいという思いを否定するつもりはありませんが
普通に日常生活を送るなかで、毎食必ず三品+汁物を食べている人の方が少数でしょう。
人によっては、昼食はカップ麺1杯で済ます場合がある人も大勢いるでしょう。
何も三品+汁物と法律で決まっている訳でもないのですから、もっと柔軟に考えて良いのです。
この辺りも「介護施設だから…」という思い込み・先入観・固定観念・常識があるのです。
例えばカレーが出れば、必ずフルーチェや果物等の甘いものが一緒に出ます。
辛い物の後に甘いデザートを食べたくなる気持ちを否定はしませんし
そのような日があっても良いでしょう。
しかし何故、毎回例外なくそのようなメニューを提供するのかがわからないのです。
仮にカレー一品に専念し、至極のカレーを提供できれば
カレー一品のみでも文句など出ないのではないかと思うのです。
我々もカレー屋さんにカレーを食べに行った後に、必ずデザートを注文する訳ではないでしょう。
何もカレー屋さんほどのクオリティーを求めている訳ではありませんが
例えばカツカレーや唐揚げカレーなど月1回でも出れば
その日ぐらいはカレー一品でも問題ないと思います。
確かに介護保険施設(特養・老健・療養型・介護医療院)には厳しい栄養価が求められますし
さらに価格の問題もあります。
この二つの「価」の制限がありますので、理想通りに行かない事も理解できます。
だから無理にカツカレーや唐揚げカレーを出せと言っている訳ではありません。
まずは必ず三品+汁物の固定観念を打ち破る事が大切と言っているのです。
長くなったので続きは次回にします。