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2022/01/18
施設長のつぶやき~イベントについて考える③~
前回の続きです。
このようにイベントを楽しんでくれる利用者も確実にいるのに
全ての利用者に受けない事を恐れてイベントを行なわないようになれば
せっかく満足して下さる利用者にもイベントを行なえず
退屈な時間を過ごして貰う事になります。
それでは参加したい利用者だけ参加すれば良いという考えもあるでしょう。
もちろん利用者自身が自分で参加するかしないかを判断する事に異論はありません。
職員からすれば折角練習したのだから多くの利用者に参加してほしいと思いますが
嫌がっている利用者に強制参加させる事は出来ません。
しかし逆に全ての利用者が自分で判断出来る訳ではありません。
そして判断出来ない利用者でも参加してみると喜ばれる事もあります。
例えば私が行なった演奏会で下記のような例がありました。
例①私が当施設で弾き語りをした際の話です。
心身機能の低下に伴いほぼ声かけに対し反応しなくなった利用者がおられました。
しかし「大阪ラプソディ」を演奏した際、手拍子をしながら一生懸命歌って下さいました。
(私は演奏中で気付きませんでしたが職員がデジカメで動画撮影して見せてくれました)。
例②他施設のイベントで演奏した際の話です。
比較的若い男性利用者が一番後ろで大きな口を開けて歌って下さっているのを見ました。
演奏会終了後、その施設の職員の方より「あの方は構音障害があり
どんなに言語のリハビリや歌体操を勧めても行なってくれなかった。
今日、一生懸命歌おうとしてくれて驚いた。」との話がありました。
もし例①で「反応が乏しいから楽しめないだろう」という理由で参加を見合わせていたら
もし例②で「普段から歌を拒否しているから参加しなくて良いだろう」と
職員が勝手に判断してしまったら、せっかくの楽しめる機会があったのに
それを棒に振る事になります。
何も演奏会の自慢話をしたい訳ではありませんが(ちょっと自慢したいですが(;^_^A)
このように何が喜ばれるのかはやってみないとわからないのです。
長くなったので続きは次回にします。