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2021/12/20
施設長のつぶやき~利用者様の「遠慮」と「配慮」を考える③~
前回の続きです。
私は高校時代、酒のディスカウントショップでアルバイトをしていました。
酒のディスカウントショップなのでバリバリの力仕事です。
ある日、お客様が購入されたビールをお客様の車に積もうとしたら
そのお客様が「ええよ、ええよ、自分でやるから。にぃちゃん休んどき」と
言って下さった事がありました。
これもお客様の従業員への「配慮」でしょう。
またつい最近、私は携帯電話を買い替えに行ったのですが、その際、何かのポイントで
その場でジュースを買える事になりました。
しかしその時対応してくれた従業員さんがとても熱心にしてくれたので
「僕はいらないから、あなた好きなの買って下さい。」と言ってジュースを買ってあげました。
これもある意味「配慮」でしょう。
このように「社会」の中で「人(客)」が「人(従業員)」に「配慮」する事は
普通にあり得る事なのです。
だからこそ、アイテラス利倉という「社会」で暮らす「人(利用者)」が
「人(職員)」に「配慮」している可能性を検証しても良いと思うのです。
利用者様は常に職員に「遠慮」していると考える事は逆に失礼に値するのではないか
「施設」に入所した「利用者」は何でも職員を頼らないといけないのかと思ってしまいます。
確かにそれが「遠慮」なのか「配慮」なのかは本人様にしかわかりません。
しかし、せっかく職員の事を思ったり、意欲的に自分でしようとされている可能性もあるのに
その可能性を検証せず「歩くときは必ず声をかけて下さい」と強要する事や
「大丈夫ですか」等と過度に声をかける事は、一見仕事上適切な対応に思えるかもしれませんが
時に利用者様の心を傷つける場合もあると思うのです。
確かに転倒しなければ身体は傷つかないと思います。
しかし身体は傷つかなくても心を傷つけると意味がない事もあると思うのです。
前回述べたように利用者は利用者である前に「人」なのです。
そこには「ワーカビリティ(課題解決に向かう利用者自身の力・能力)」が存在するのです。
利用者様の「ワーカビリティ」を否定してはいけないと考えているのです。
長くなったので続きは次回にします。