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2021/12/18
施設長のつぶやき~利用者様の「遠慮」と「配慮」を考える~
皆さん、こんにちは。施設長の田原です。
さて、本日は利用者様の「遠慮」と「配慮」について考えてみたいと思います。
当施設においても、転倒事故は起こってしまいます。
稀に介助中に転倒する事もありますが、ほとんどは利用者様がご自分で歩き転倒するケースです。
そしてその時、職員は大抵、他の利用者様の介助中であったり、食事の準備や洗い物を
していたりするなど、事故を防ぐのは困難な状況です。
転倒事故は仕方ないと言い切ってしまうと語弊がありますが、あえて誤解を恐れずに言えば
全国老人保健施設協会会長が「転倒や転落、誤嚥を事故と認定することについて少し意見を
言いたい。例えば、認知症で危険の意識がなく歩行能力も衰えている方などが転倒される
ということは、もう事故ではなく老年症候群の1つの症状ではないかと思う」という提言に
賛同してしまいます。
それでも転倒事故に神経を張り巡らせる事は当然で、どんなに「仕方がなかった」と思ってみても
実際介護現場にいて転倒事故があると「申し訳ない」という気持ちになります。
私も夜勤時に他利用者トイレ誘導時に、センサーマットが反応した事がありましたが
当然間に合わず転倒事故になった事がありました。
先月も当施設で転倒事故がありました。
その利用者様は認知症は軽度で判断能力もあり、ご自分の意思で自由に歩行や
趣味活動を行なっておられるような方です。
その方の転倒事故を受けて、どのように防止できるか検討した際、一つの意見として
ユニット職員に介助を依頼する事を「遠慮」しているのではないか、ユニットの雰囲気を
依頼しやすいようにしないといけないのではないか、というような意見が上がりました。
確かにもし利用者様が職員に「遠慮」しているのであれば問題と思います。
職員が忙しくバタバタして声をかけにくい雰囲気なら改善が必要でしょう。
我々も飲食店等で従業員さんがバタバタしていると何となく声をかけにくくなるのと同じですね。
しかし少し視点を変えてみると利用者様は職員に「遠慮」しているのではなく
「配慮」してるいのではないかと考えてみたいと思います。
長くなったので続きは次回にします。